2023年10月、ChatGPT(チャットGPT)には、画像を生成できる機能が追加されました。
この技術は「DALL・E 3」と呼ばれており、ChatGPT(チャットGPT)を通じて、私たちの言葉で表現した内容を画像で具現化できるようになったのです。
自分が出したい最適な画像を出すには、少しコツが必要です。
ChatGPTで画像を作り始めたはいいものの、上手くいかずに悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
私自身も、これまでに数多くの画像を作成してきましたが、思い描いていた通りの結果が得られずに苦労したことがあります。
この記事では、ChatGPTのDALL・E 3を使った画像生成のコツを説明していきたいと思います。
画像生成AI DALL-E 3とは
DALL-E 3は、最先端のAI技術を活用して、言葉で描写された内容を基に画像を生成する画期的なツールです。
この技術は、OpenAIによって開発され、私たちが普段思い描くさまざまなシーンやアイデアを、リアルな画像にしてくれます。
DALL-E 3の開発目的
DALL-E 3の開発の背景には、AI技術を使って人間の創造性を支援し、新しい形のアートやデザインの可能性を広げるというビジョンがあります。
この技術により、アーティストやデザイナーはもちろん、クリエイティブな表現に興味を持つ一般の人々も、自らの想像を形にする新たな手段を得ることができます。
DALL-E 3の特徴と能力
DALL-E 3の最大の特徴は、その高度な画像生成能力にあります。
このAIは、与えられたテキストの指示を理解し、それに応じた緻密で多様な画像を生成することが可能です。
また、この技術は単に既存の画像を組み合わせるのではなく、指示された内容に基づいて全く新しい画像も「創造」してくれます
DALL-E 3を利用するには、簡単なテキストのプロンプトを入力するだけです。
あとはAIが自動的に画像生成のプロセスを行い、短時間内に結果を提供します。
DALL-E 3の使い方
DALL-E 3の使い方を50代、60代の方々にも分かりやすくご説明します。
この技術は、OpenAIが提供するChatGPTプラットフォーム上で利用可能な、画像生成ツールです。
ここでは、DALL-E 3を使って画像を生成するまでの手順を、簡単なステップに分けてご紹介します。
ChatGPTプラットフォームへのアクセス
まずは、OpenAIが提供するChatGPTプラットフォームにアクセスします。
パソコンやスマートフォンからウェブブラウザを開き、OpenAIの公式サイトまたはChatGPTのページに行きましょう。
アカウントをお持ちでなければ、簡単な登録手続きを経てアカウントを作成してください。
DALL-E 3の選択
ChatGPTプラットフォームにログインしたら、DALL-E 3を利用するオプションを選択します。
画面上にはさまざまな機能やツールが提示されていますが、画像生成を行うには「DALL-E 3」やそれに類するオプションを見つけてクリックしましょう。
ChatGPTでDALL・E3が使えるのは有料のChatGPTのみ
ChatGPTでDALL・E3が使えるのは、以下2つのどちらかのプランを契約している場合のみです。
ChatGPT Plus(有料版、個人向け):月額20$
ChatGPT Enterprise(有料版、法人向け):料金は要問合せ
無料のChatGPT3.5ではDALL・E3は使用できません。
ちなみにMicrosoft Bingの「Image Creator」では無料でDALL・E3が使用できます。
Microsoftアカウントが必要、使用回数や画像サイズの制限や、商用利用は不可などの注意点があります。
有料版と無料版の一番大きな違いは、生成した画像の商用利用ができるかどうかです。
CharGPTのDALL・E3でできること
2024年1月現在、CharGPT PlusのDALL・E3でできることは以下の通りです。
1回の指示で1枚の画像が生成される
3種類の画像サイズが生成できる
画像生成数には制限がないが、ChatGPT Plusの「3時間で40回まで」の制限は適用される
CharGPTに生成画像のメタ情報「シード値」や「画像ID」を教えてもらえる
ChatGPTが画像生成時に使用した英語のプロンプトが確認できる
画像のメタ情報「シード値」や「画像ID」とは、ChatGPTが画像生成したときに画像毎に付加している情報です。
「シード値や画像IDを利用して同じ画像を再生成する」といった高度な使い方も、ChatGPTのDALL・E3なら簡単にできます。
これらはアップデートで変わる可能性があるので、最新情報をチェックしていきましょう。
プロンプトの入力
DALL-E 3を選択したら、次は画像を生成するための指示、いわゆる「プロンプト」を入力します。
プロンプトとは、画像にしたい内容を簡潔に記述したテキストのことです。
例えば「雪が積もる山頂に立つ古い城」といった具体的な描写を入力すると、その描写に基づいた画像が生成されます。
画像の生成と確認
プロンプトを入力したら、生成ボタンを押します。
するとDALL-E 3が働き始め、数秒から数分で指定した内容に基づいた画像が生成されます。
生成された画像は、画面上に表示されるので、出来栄えを確認しましょう。
希望に沿った画像が得られなかった場合は、プロンプトを調整して再度試みることができます。
画像のダウンロードまたは共有
生成された画像に満足したら、その画像をダウンロードすることも、SNSやメールで友人や家族と共有することも可能です
DALL-E 3のプロンプトを作るコツ
DALL-E 3で魅力的な画像を生成するためには、具体的で詳細なプロンプトの作成が鍵となります。
プロンプトとは、DALL-E 3に対して画像生成のための指示を与える短いテキストのことです。
このプロンプト次第で、生成される画像の質や内容が大きく変わってきます。
以下に、効果的なプロンプトの作り方をいくつかのコツと共に解説します。
明確なビジョンを持つ
画像にしたいアイデアやシーンを、できるだけ具体的に思い描きましょう。
例えば、「犬」とプロントをいれてみます。
さらに「公園でボールを追いかける黒いラブラドール」のように詳細を加えることで、より具体性が増し、以下の画像がでてきます。
描写を豊かにする
風景、物体、生き物だけでなく、色彩、時間帯、気持ちなど、感覚に訴える要素を加えることで、画像に深みとリアリティをもたらせます。
「夕日に照らされた静かな海辺に座る老夫婦」というプロンプトは、ただの風景ではなく、感情や物語を感じさせる画像を生成するでしょう。
考慮すべき要素
- 目的の明確化:まず、どのような用途で画像を使いたいのか、目的を明確にしましょう。ブログの記事で使う画像なのか、個人的なコレクションのためなのかによって、プロンプトの内容も変わってきます。
- 文化的背景:画像のテーマが特定の文化や地域に関連している場合は、その背景に配慮することも大切です。不適切な表現を避け、敬意を持ってプロンプトを作成しましょう。
- 創造性の発揮:DALL-E 3の能力を最大限に活用するためには、常識にとらわれず、創造性を発揮することが大切です。ありきたりではない、独自の視点やアイデアをプロンプトに反映させてみましょう
正確な用語を使う
画像生成においては、使用する言葉の選択が重要です。
例えば、「薔薇」を「花」と表現すると、具体的なイメージが伝わりにくくなります。
可能な限り正確な用語を用いて、意図するシーンの詳細を伝えましょう。
画像サイズを指定する
画像の目的や内容に応じて、画像サイズを指定してください。
現在、ChatGPT PlusのDALL・E3で使用できる画像サイズは以下の3つです。
使用できる画像サイズ
正方形:1024×1024ピクセル、アスペクト比:1:1
横長:1792×1024ピクセル、アスペクト比:約1.75:1
縦長:1024×1792ピクセル、アスペクト比:約1:1.75
例えば、風景や広いシーンを描く場合は横長サイズ、キャラクターの体全体を描くには縦長サイズが適しています。
お好みの画像サイズで画像生成したり、横長の画像を縦長に変更したり、ChatGPTに指示してみてください。
英語のプロンプトの内容を確認する
間違った画像が生成されてしまう場合は、実際にChatGPTが画像生成に使用した英語のプロンプトを確認しましょう。
実は、ChatGPTは日本語で指示された文章を元に自分なりにイメージを膨らませ、詳細な描写を追加した英語のプロンプトを作成して画像を生成しています。
英語のプロンプトを確認すると、うまくいかない理由が分かることがあります。
手順は以下の通り。
生成画像をクリックし、大きく表示される画面の右側の マークをクリックします
英語のプロンプトが表示されるので、「コピーボタン」をクリックしてコピーします
画像の左上の をクリックしてChatGPTに戻ります
コピーした英語のプロンプトをChatGPTの入力欄にペーストし「訳して」と指示します
さらにコツとして、最初から英語で指示してみるのもひとつの手です。
なぜならChatGPTは英語のプロンプトの方がより忠実に画像を生成してくれる傾向があるからです。
スタイルを指定する
スタイルの例
写真リアリズム:実写の写真のようなリアリスティックなスタイル
水彩画風:透明感と色の広がりを持つ、柔らかく繊細なスタイル
油絵風:厚みのある塗りと質感を模した、重厚で表現力豊かなスタイル
ペン画:インクやペンによる線画やスケッチのようなシンプルで力強いスタイル
デジタルアート:現代的なデジタル技術による多様で革新的なスタイル
漫画・アニメーション風:漫画やアニメに見られる独特の表現とスタイル
抽象画:具象的な形を持たない、解釈に開かれた抽象的なアートスタイル
ポップアート:鮮やかな色彩と大胆なデザインを特徴とするスタイル
最近はブログやプレゼン資料で、おしゃれな「フラットデザイン」の挿絵を見かけることも多いです。
いろいろ試してみてください。
プロンプトの例
・簡単な例:「春の公園で遊ぶ子どもたち」
詳細な例:「午後の穏やかな日差しの下、桜が満開の公園で、色とりどりの服を着た子どもたちが笑顔で遊んでいる様子」
プロンプト作成は、DALL-E 3を使って独自の画像を生成する際の最初のステップです。
上記のコツやアドバイスを参考にしながら、自分だけのプロンプトを作ってみてください。
あなたの創造力とDALL-E 3の能力が合わさることで、想像もしなかったような美しい、面白い、または感動的な画像が生み出されるでしょう。
DALL-E 3で使えるプロンプト例5選
DALL-E 3を使って、様々なテーマやアイデアから素晴らしい画像を生成する際、どのようなプロンプトが効果的なのでしょうか。
ここでは、さまざまなシーンやアイデアに基づく、実際に効果があったプロンプトの例を5個紹介します。
これらを参考にして、50代、60代の方々もご自身のプロジェクトや趣味でDALL-E 3を楽しんでみてください。
古典的な日本の庭園で読書をする猫
日本文化の美しさと静寂を感じさせる画像が生成されます。
宇宙飛行士が月でギターを弾く
宇宙と音楽の融合が織りなす、ユニークな画像が生成されます。
ガラスの靴を履いたシンデレラが舞踏会へ向かう
童話の世界が現実になったような、夢のある画像が得られます。
レトロなダイナーでの1950年代のファッションショー
懐かしさと華やかさが融合した、スタイリッシュな画像になります。
オーロラが輝く夜空の下、氷の彫刻を作る人々
これらのプロンプトは、日常から離れた想像の世界へと誘います。
DALL-E 3を用いることで、ご自身の好奇心や創造力を存分に発揮し、これまでに見たことのないような画像を生み出すことができるでしょう。
プロンプト作成は、独自の視点やアイデアを形にする過程です。この機会に、新しい挑戦を楽しんでみてください。
DALL-E 3をChatGPT(チャットGPT)で使いこなそう!
ChatGPTを活用してDALL-E 3で創造的な画像を生成することは、50代、60代の方々にとっても、新たな趣味や表現の手段となり得ます。
ここでは、DALL-E 3をChatGPTを通じて最大限に活用するためのヒントやテクニックをまとめてご紹介します。
これらのアドバイスを参考に、ご自身だけのユニークな画像を効率的に生成する方法を見つけてください。
プロンプトの工夫
- 詳細を加える: 画像にしたいシーンやオブジェクトを可能な限り詳細に記述してみましょう。「猫」と質問すると下記の画像がでます。「春の庭で遊ぶ白と黒の子猫」といった具体性が重要です。
「春の庭で遊ぶ白と黒の子猫」と質問すると以下の画像がでます
感情や雰囲気を表現する: 画像に求める雰囲気や感情を言葉にしてみてください。例えば、「静かな朝の光の中で」といった情景描写が画像に深みを与えます。
多様なテーマで実験する
- 異なるカテゴリーを試す: 風景、人物、抽象アート、日常のシーンなど、様々なカテゴリーでプロンプトを試してみてください。新しい発見があるかもしれません。
- 文化的な要素を取り入れる: 世界のさまざまな文化や歴史的な背景をプロンプトに取り入れてみることで、独自性の高い画像を生成できます。
著作権や倫理を意識する
- 著作権に配慮する: 著名なキャラクターや特定のブランドを含むプロンプトは避け、オリジナリティの高い内容を心掛けてください。
- 倫理的な利用を心掛ける: 人物を描く際には、プライバシーや倫理的な観点から配慮が必要です。リアルな人物の描写には特に注意しましょう
フィードバックを活用する
- 生成された画像の評価: DALL-E 3が生成した画像を見て、何がうまくいったのか、どのような改善が必要かを考えてみましょう。
- 繰り返し試す: 一度ではなく、同じプロンプトで複数回試してみることで、異なる結果が得られることがあります。
まとめ
DALL-E 3という技術を使って、どのように自分だけの世界を描き出せるのか、その一歩を踏み出すためのガイドをお届けしました。
特に、自分の考えやイメージを具体的にAIに伝える「プロンプト」という指示の作り方に焦点を当て、どのようにして想像以上の結果を得られるかについて説明しました。
DALL-E 3という新しいキャンバスを使って、これまでにない自分だけのアートワークを生み出してみましょう。”